この記事では2021年6月25日に発売された「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 4.5巻」の感想・考察を書いています。
「よう実 2年生編 4巻」の感想・考察は以下のリンクからどうぞ
ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 4.5巻
あらすじ
豪華客船での波乱含みの夏休みスタート!
様々な出来事を乗り越え無人島試験も終了。待望の豪華客船での夏休みが始まった。だが試験は多くの爪痕を残し、龍園が小宮を襲撃した犯人探しを開始、他の生徒達も今までとは違う動きを見せ始めていた。そんな中、綾小路の前に3年の桐山が現れる。「おまえの存在は邪魔でしかないんだ綾小路」告げられたのは南雲の変貌。奇怪な行動を取り始め、綾小路1人に対して、3年生全体による『監視』という奇妙な指令が下される。
一方で告白に対しての答えを返すため、綾小路は一之瀬との約束の場所に向かい――!?
大人気学園黙示録、2年目の夏休みは波乱含み!?引用:ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編4.5 | ようこそ実力至上主義の教室へ | 書籍 | MF文庫J オフィシャルウェブサイト (mfbunkoj.jp)
全体の感想
あらすじ通り、各生徒たちが様々な動きを見せていて、2学期の学年同士、クラス同士の対決を楽しみにさせる要素が満載でした。
そして、なんといっても後半にホワイトルーム生が明かされたのは驚きました。
まさかこの4.5巻であっさりとネタバラシをしてしまうとは・・・
唐突にホワイトルーム生である2人の会話が始まったので、ワクワクさせられました。この2人の会話はたった数ページなのに内容が濃すぎた・・・
やはり4.5巻は本編の一部ですね。4.5巻でもサバイバル試験中のことやこれからのこと、多くの情報が得られました。
ここで描かれたことが5巻、そしてそれ以降の話と繋がっていくので、情報を整理して、今後も読み進めたいと思います。
それでは「2年生のクラスポイントの変動について」「綾小路と南雲」「七瀬が綾小路に伝えたかったこと」「新キャラ3人とその立ち位置について」「伊吹澪について」「一之瀬への告白の返事」「次の特別試験について」「石神京について」「ホワイトルーム生同士の会話」の9つのトピックで感想・考察をしていきます。
気になるところだけでも読んでみてください。
2年生のクラスポイントの変動について
無人島サバイバル試験後の2年生のクラスポイントは以下の通りです。
- 坂柳クラス(Aクラス):1206ポイント
- 一之瀬クラス(Bクラス):578ポイント
- 堀北クラス(Cクラス):571ポイント
- 龍園クラス(Dクラス):551ポイント
B~Dクラスはたった27ポイント差にひしめき合っており、普段の生活での振る舞いでクラスが変動することも考えられます。
また、次の特別試験でもクラスが変動する可能性が多いに考えられます。(たぶん変動するでしょう。試験の内容も少しだけ明かされたことですし)
各クラスについて簡単に見ていきましょう。
一之瀬クラスは坂柳と組むことで、クラスポイントを得ることができましたが、C,Dクラスに比べると、勢いはあまりないです。
そのため、次の特別試験の結果次第では一気にDクラスまで落ちることもあり得るでしょう。
次の特別試験の内容は4.5巻で明かされた限り、ハードなものになりそうなので、クラスの結束が学年で際立って固いBクラスにもしものことがあれば、一気にクラスが崩壊してしまうことも考えられます。(一之瀬には頑張って欲しいけど・・・)
続いて、龍園クラスはDクラスという結果ですが、1年生の頃に比べるとクラスとしての結束力は高くなっていますし、Aクラスから葛城の加入という純粋な戦力アップがありました。
各生徒の能力面など不安材料はいくつもありますが、個人的に龍園たちが他のクラスより段違いで勢いがあると思います。
そして、堀北クラスは高円寺が単独1位になったことで得られた300ポイントの影響が大きいですね。
次の特別試験の結果次第では、初のBクラスも夢ではありません。
1年生の最初に0ポイントだったことを考えると、よく積み上げたなと思います。
今後、高円寺の協力が得られないのは残念ですが・・・(2年生の間は本当に何もしないで終わるだろうな・・・)
最後に、坂柳クラスは盤石な体制を築きつつあります。
葛城という戦力は失いましたが、各生徒の能力は高く、付け入る隙は少ないでしょう。
坂柳を落とすことはプロテクトポイントがあり、簡単ではないので、坂柳が駒として使っている周りの生徒たちを1人ずつ落としていく必要が他のクラスにあるでしょう。(それもかなり難易度が高そうですが・・・まず、それを坂柳が簡単に許すとは思えませんし)
綾小路と南雲
あらすじで公開されていた通り、「綾小路を監視しろ」という指令が南雲から3年生全体に言い渡されました。
的確に綾小路が取られると嫌な戦法を使ってくるあたり、さすが3年生全体を司っているなと感じさせられました。
綾小路としては監視の目があることで少なからずストレスを受けますし、行動も制限されます。
対処するにしても、解決するにはなかなか難しい問題だと思うので、綾小路が南雲に対してどう行動を取っていくのか注目です。
4.5巻で描かれた一之瀬との一件もあるので、綾小路には頑張って欲しい・・・
本当に南雲に対してのヘイトが・・・
七瀬が綾小路に伝えたかったこと
客船で綾小路と七瀬が何度も出会う場面が描かれました。
その際に、七瀬は綾小路に対して何かを伝えようとしましたが、結局は何も伝えませんでした。
七瀬は綾小路にこのことを伝えると、怒られるかもしれないと危惧していました。
そのことを考慮すると、その後に明かされたGPSリサーチをあの1件の後に使用したことを伝えようとしたのではないでしょうか。
仮にそのことだとして、話を先に進めます。
綾小路はあの時GPSリサーチを使用しませんでした。しかし、七瀬はGPSリサーチを行い、近辺にいた人物を把握していました。
あの場所には天沢を除くと2人いて、1人は櫛田、そしてもう1人は1年生の倉知直広でした。
櫛田に関しては、天沢とやり合っていた(一方的にやられてた)ので、把握していましたが、他にもあの現場の近くにいたのですね。
彼の証言だと同じクラスの宇都宮に綾小路を襲うように指示されたため、あの場にいたようです。(まぁ、その宇都宮からの指示も・・・)
そのため、彼自身の意思であの場にいたわけではなく、ましてや綾小路に懸けられている懸賞金についても知らないでしょう。
3巻や4巻では明かされていませんでしたが、このように密かに多くの動きがあったのですね。
新キャラ3人とその立ち位置について
口絵で描かれていた山村美紀、姫野ユキ、時任裕也の各クラスでの立ち位置についてです。
彼らの所属クラスは以下の通りです。
- 山村美紀:坂柳クラス
- 姫野ユキ:一之瀬クラス
- 時任裕也:龍園クラス
山村美紀は坂柳から天沢の監視を頼まれており、坂柳から信頼を得ているようです。
口絵では影が薄い少女と言われているため、秘密裏に監視するにはうってつけの人物かもしれませんね。
影が薄いと聞くと、入学当初の綾小路を少し思い出します。
あまり喋るタイプには見えないので、積極的に本編に関わってこない気がします。
姫野ユキは乱暴な口調が特徴な少女です。
一之瀬のクラスにもこのような子はいるのですね。
彼女自身の能力は秀でて高いわけではありません。
しかし、一之瀬クラスは一之瀬や神崎以外あまり目立ったメンバーがいないので、これから綾小路たちが一之瀬クラスと関わる時に登場することが増えそうな気がします。次の試験でも登場機会はありそうですね。
時任裕也は龍園のやり方に不満を持つ生徒です。
そのため、反旗を翻すために同じクラスに加入した葛城を誘っていますが、上手く行きませんでした。
龍園のやり方は問題がつきものなものが多いので、こういった生徒がいることも納得です。
彼は勝気な性格で言葉使いが荒く、執念深いようなので、クラス内で龍園と時任が争うということもありそうです。
伊吹澪について
4.5巻でもしっかりと伊吹の出番がありました。
今回は綾小路と会うというパターンではなく、堀北と会った場面が描かれました。
彼女自身、プールに鍛えている人を探しに行ったりと考えて動いていました。
まぁ、綾小路と龍園の屋上での出来事を口止めされているのに堀北に喋ってしまったり、少し抜けているところはありましたが(笑)
皆さんがどう思っているかは分かりませんが、個人的に女同士の伊吹と堀北のライバル関係は好きです。
今後、描かれるであろう体育祭などでもバチバチにやり合ってほしいです。
一之瀬への告白の返事
4.5巻はこれを楽しみにしていた人が一定数いたと思いますが、あの展開は誰も望んでおらず、南雲へのヘイトがさらに高まったことでしょう。
綾小路は一之瀬に自分の言葉で伝えるはずのことを、突然2人の前に現れた南雲が「綾小路が軽井沢と付き合っていること」を伝えました。
これには本当にやるせない気持ちになりました。
一之瀬の涙を浮かべている挿絵と最後の「さよなら」の一言が深く突き刺さりました。
本当に綾小路には南雲をコテンパンにしてほしい・・・
次の特別試験について
夏休み後の特別試験ですが、体育祭の前に1つ特別試験が開催されることが決定しています。
その試験の詳細は不明ですが、一之瀬クラスの担任である星之宮と堀北クラスの担任である茶柱の関係を決定的に壊してしまった試験が開催されるようです。
2人の関係性についてはあまり良くないことはこれまでの描写から分かっていましたが、当時何が起きたのかは不明だったので、5巻では回想などで当時の試験の様子が描かれるかもしれませんね。
試験について分かっていることは
- 人の醜さや弱い心を浮き彫りにする
- 1年生の最後に行われたクラス内投票と近い内容(担任たちはこれが代用だと思っていた)
- 無人島試験で退学者が出れば開催されなかった
- 見方によっては他愛もない試験だが、一歩選択を間違えれば難題になる
クラス内投票と近い内容で、正しい答えを選択しなければならない。
この”正しい答え”が何を指しているのか不明ですが、テストなど答えがある問題の答えではないことは確かだと思います。
教職員の会話からすると、必ず退学者が出るというわけではなさそうですが、その可能性はかなり高そうですね。
果たして、どんな試験なのか気になります。山内みたいに裏切り者が出てくることもありそうですね。(山内とか懐かしい・・・)
石上京について
1年Aクラスをまとめるリーダーである石上京がとうとう登場しました。
Aクラスで、綾小路を退学にさせた時に貰えるポイントのことを知っていながら、表に出てこなかった生徒がとうとう表舞台に登場しましたね。
神崎曰く、石神は「味方に対しては一之瀬と坂柳の良いところを抜き出した男」という評価を下しています。
また、仲間を脅かす存在には容赦なく牙をむき、敵でも見方でもない相手には無関心な態度を取るとそうです。
この評価だけ見ると、かなり優秀で厄介な相手であることは間違いないでしょう。
1年Aクラスは1年生同士の集まりに参加していたのが高橋だったため、石神については謎の存在でした。
そんな彼ですが、2学期からは学年同士の争い、クラス間の争いにも頻繁に登場してきそうですね。
どのような戦略を立てて、望んでくるのか非常に楽しみです。
ホワイトルーム生同士の会話
まさか4.5巻でホワイトルーム生が明かされるとは思いませんでした。
天沢がホワイトルーム生であることは4巻で明かされ、そしてもう1人いることが濃厚だったホワイトルーム生の正体が4.5巻で明かされました。
そのホワイトルーム生は八神拓也でした。(『憎悪』のホワイトルーム生は八神だったのですね)
八神と天沢の話を聞くと、無人島試験中の謎の多くは全て八神が仕組んだことだったようです。
- 綾小路の元に櫛田と倉知を送り込んだこと(八神→宇都宮→倉知と指示が伝わった模様)
- 小宮、木下を襲ったこと
- 堀北に紙でヒントをあげたこと
その他にも以下のことが判明しました。
- 1年Cクラスの生徒を退学にさせたこと
- 天沢以上、綾小路と同等の武力を備えていること
たった数ページ描かれただけだったのに、この一幕だけ内容が濃すぎた・・・
的確に先読みし、彼がホワイトルーム生で、優秀たり得ることを証明しました。
4巻で宇都宮が誰かと連絡を取り合っていたようですが、この相手は八神で間違いないでしょう。
1年Cクラスは入学早々1人退学してしまい、そうなったのは宝泉のせいだと思いこませ、Cクラスと共通の敵を作ることで、八神と椿の懐に忍び込みました。
入学当初から、八神の計画をスタートしていたのですね。
小宮や木下を襲った犯人も八神ということですが、綾小路と同等の武力を有するのなら、それも可能だったと納得するしかありません。
なぜ襲ったのかという理由までは明かされませんでしたが・・・
堀北に紙のヒントを残した点についてもなぜかは分かりませんでしたが、それも八神の中では計画の一部のようです。少しばかりこの状況を楽しんでいる節もありますからね。
果たして彼がどのような計画を練っているのか非常に気になります。
彼の計画通りに進んだ時、どのような場面で綾小路と対決することになるのか、楽しみです。
2学期以降の彼の動きは要チェックです。
ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 5巻 発売日
「ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編 5巻」の発売日は2021年10月です。
ではでは
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